もう5回目ですよ笠間に行くのは。笠間市の友部も入れれば6回目。以前定休日で入れずリベンジしたら予約制のツアーがあった事を知り、三回目の石切山脈です。
JR水戸線、笠間のひと駅西にある稲田駅。小さな駅ですが駅前に稲田石に関する資料館、石の百年館があります。
稲田駅から北西へ真っ直ぐ1.3km、山の裾野に採石及び加工を行う石材会社の「想石」があります。笠間市は市街地の他に稲田駅前にもドコモのシェアサイクルがあるので、レンタルの電動アシスト自転車を利用しました。
ここは旧採石場跡に雨水が溜まった場所があり、そこが最近よくプロモーションビデオやロケなどで使われるようになり話題となっています。
稲田石とは花崗岩の一種で白御影石とも言われています。江戸時代から採石は続いていますが、本格的に採石し始めたのは明治22年から。この採石場跡と採石現場を公開している株式会社想石は明治32年創業の中野組石材の資産を借り受けて事業を始めた会社です。
石切山脈と言う観光スポットとなっていますがその敷地は現在も稼働中の採石場の中。なので水の溜まった旧採石場跡を見るには入場料500円。さらに人数限定の予約制で採石現場まで入って行くプレミアムツアー1000円があります。
旧採石場跡、正式名称前山採石場は中野組が創業した明治32年から露天掘りの形で採石が続けられて来ました。しかし良質な石が採れなくなってきた事、深くなるごとに日照時間も短くなり作業時間が短くなって来た事、穴の底から搬出する揚重コストが高くつく事などの理由から、2014年に掘らなくなりました。前山採石場には第一と第二展望台があり、写真に写るのは第二展望台。
前山採石場は閉山となりましたが、山の中腹から頂上付近にかけての採石場(丁場)は現在でも採石作業が行われています。その埋蔵量については想定100年ぐらいは採れるだろうとの事。
ツアーはその日の気象や採石作業の状況によって変わります。
この日はコース上で重機作業が有ったため奥の作業場まで行けず、実際作業している所は見学出来ませんでした。
この辺りは中腹の丁場跡。上の方は明治大正期に手作業で採石していた頃の跡で、下に行くに連れ機械を使うようになり重機を使うようになりと、技術の進歩が見て取れます。
このような切り口の変遷って栃木県の大谷石採石場でも見れました。
切り出した石材の仮置き場。大きさは軽自動車ぐらいと言ったところでしょうか。御影石は主に墓石などに使われますが、石燈籠や石碑、モニュメント、その他に建材としては外壁材から床石、玄関框(カマチ)、キッチンや洗面のカウンターなど様々。私も仕事で中国産御影石のカウンターをキッチンや洗面に据え付けた事がありますが、船による運搬料を含めても中国や南米から輸入した石材の方が安い。
こちらの小さく砕かれた物は、埠頭などの埋め立てに使う物だそうです。
採石場って昔からよくロケに使われていましたが、やはり仮面ライダーのロケもあるとか。
こちらはクローラードリル。発破作業で火薬を埋めるための穴を岩盤に穿つための重機。場面によって火薬を使う時もあれば、穴に楔を打って割る時もあります。
切り出した岩の塊は大型のフォークリフトで搬出されて来ます。
中腹の石材仮置き場。稲田石は国会議事堂や日本銀行、最高裁判所の外壁から原爆慰霊碑などのモニュメント、東京駅駅前の敷石などにも使われています。
約1時間のツアーを終えて麓まで戻って来ました。稲田石は結構都内の代表的な建造物に使われていますが、御影石の産地で言えば宮城や福島、長野、山梨、神奈川、愛媛、香川、兵庫、大阪、岡山、広島、福岡、佐賀と、全国各地で産出されています。
こちらは石材の加工場。例えば東京駅で言えば、高価な稲田石や福島の浮金石などは一部で使われ、それ以外は安価な中国産を使用しているそうです。国産の花崗岩は中国産に比べて若く、その分劣化していないため寿命が長いとか。
加工場の内部。一番奥の巨大な丸鋸で切断しています。手前ではベビーサンダーを使い職人が仕上げ作業。平均的な価格で言えば、墓石一本250万。ただ鉄分など不純物の含有量によって一級品から三級まであるそうです。
巨大な丸鋸の刃。直径2m近く有りました。
麓のカフェではモンブランが食べられます。笠間市と言えば栗の名産地。
稲田石のテーブルで岩山を眺めながら。美味しくいただきました。
風が吹いてなければ水鏡が見事です。
SNSでは徐々に知名度を上げている稲田石の石切山脈。営業日やプレミアムツアーなど下調べして行く事をお勧めします。
https://www.ishikiri-sanmyaku.com/
さて、時間が余ったので笠間駅まで行き、駅前で再びドコモシェアサイクルを借ります。笠間は行っても行ってもまた行きたい所が出て来る。
茨城県笠間市(1)、人車軌道と花街と廃墟ホテル
茨城県笠間市(2)、笠間の終末スナック街
茨城県笠間市(3)、廃映画館の昭和館跡
茨城県笠間市(4)、寂れたラブホ街と廃車両群
笠間稲荷神社の裏手で発見した渋い木造建築。詳細は分かりませんが、病院跡か何かか。
締めは温泉でも入ろうかと、市街地北部の国道50号線を越えた山間にあるぶんぶくの湯。
民宿と日帰り入浴、食事処などを営業していますが、現在は金曜日と土日のみ営業。すでに香ばしい匂いが。
ここはネットで汚いとの酷評が多く寄せられています。そこを敢えて行く。去年の足利健康センターでかなりの耐性が出来た。あそこを上回る事はあるまい。
檜風呂と看板に書いていますが、檜風呂は既に朽ち果て現在はステンレス風呂となっています。お湯は汲み置き。湧き水を沸かしているそうです。泉質はヒドロ炭酸、塩素イオン、カルシウム、ナトリウムと書かれていますが温泉分析表は無く、鉱泉では無い?
ただ弘法大師の時代から古文書に書かれた特別な湧き水で、効能はちゃんとあるとか。
無味無臭で温泉と言えるかはグレーですが、実にディープな場所に行ってしまった。
JR水戸線、笠間のひと駅西にある稲田駅。小さな駅ですが駅前に稲田石に関する資料館、石の百年館があります。
稲田駅から北西へ真っ直ぐ1.3km、山の裾野に採石及び加工を行う石材会社の「想石」があります。笠間市は市街地の他に稲田駅前にもドコモのシェアサイクルがあるので、レンタルの電動アシスト自転車を利用しました。
ここは旧採石場跡に雨水が溜まった場所があり、そこが最近よくプロモーションビデオやロケなどで使われるようになり話題となっています。
稲田石とは花崗岩の一種で白御影石とも言われています。江戸時代から採石は続いていますが、本格的に採石し始めたのは明治22年から。この採石場跡と採石現場を公開している株式会社想石は明治32年創業の中野組石材の資産を借り受けて事業を始めた会社です。
石切山脈と言う観光スポットとなっていますがその敷地は現在も稼働中の採石場の中。なので水の溜まった旧採石場跡を見るには入場料500円。さらに人数限定の予約制で採石現場まで入って行くプレミアムツアー1000円があります。
旧採石場跡、正式名称前山採石場は中野組が創業した明治32年から露天掘りの形で採石が続けられて来ました。しかし良質な石が採れなくなってきた事、深くなるごとに日照時間も短くなり作業時間が短くなって来た事、穴の底から搬出する揚重コストが高くつく事などの理由から、2014年に掘らなくなりました。前山採石場には第一と第二展望台があり、写真に写るのは第二展望台。
前山採石場は閉山となりましたが、山の中腹から頂上付近にかけての採石場(丁場)は現在でも採石作業が行われています。その埋蔵量については想定100年ぐらいは採れるだろうとの事。
ツアーはその日の気象や採石作業の状況によって変わります。
この日はコース上で重機作業が有ったため奥の作業場まで行けず、実際作業している所は見学出来ませんでした。
この辺りは中腹の丁場跡。上の方は明治大正期に手作業で採石していた頃の跡で、下に行くに連れ機械を使うようになり重機を使うようになりと、技術の進歩が見て取れます。
このような切り口の変遷って栃木県の大谷石採石場でも見れました。
切り出した石材の仮置き場。大きさは軽自動車ぐらいと言ったところでしょうか。御影石は主に墓石などに使われますが、石燈籠や石碑、モニュメント、その他に建材としては外壁材から床石、玄関框(カマチ)、キッチンや洗面のカウンターなど様々。私も仕事で中国産御影石のカウンターをキッチンや洗面に据え付けた事がありますが、船による運搬料を含めても中国や南米から輸入した石材の方が安い。
こちらの小さく砕かれた物は、埠頭などの埋め立てに使う物だそうです。
採石場って昔からよくロケに使われていましたが、やはり仮面ライダーのロケもあるとか。
こちらはクローラードリル。発破作業で火薬を埋めるための穴を岩盤に穿つための重機。場面によって火薬を使う時もあれば、穴に楔を打って割る時もあります。
切り出した岩の塊は大型のフォークリフトで搬出されて来ます。
中腹の石材仮置き場。稲田石は国会議事堂や日本銀行、最高裁判所の外壁から原爆慰霊碑などのモニュメント、東京駅駅前の敷石などにも使われています。
約1時間のツアーを終えて麓まで戻って来ました。稲田石は結構都内の代表的な建造物に使われていますが、御影石の産地で言えば宮城や福島、長野、山梨、神奈川、愛媛、香川、兵庫、大阪、岡山、広島、福岡、佐賀と、全国各地で産出されています。
こちらは石材の加工場。例えば東京駅で言えば、高価な稲田石や福島の浮金石などは一部で使われ、それ以外は安価な中国産を使用しているそうです。国産の花崗岩は中国産に比べて若く、その分劣化していないため寿命が長いとか。
加工場の内部。一番奥の巨大な丸鋸で切断しています。手前ではベビーサンダーを使い職人が仕上げ作業。平均的な価格で言えば、墓石一本250万。ただ鉄分など不純物の含有量によって一級品から三級まであるそうです。
巨大な丸鋸の刃。直径2m近く有りました。
麓のカフェではモンブランが食べられます。笠間市と言えば栗の名産地。
稲田石のテーブルで岩山を眺めながら。美味しくいただきました。
風が吹いてなければ水鏡が見事です。
SNSでは徐々に知名度を上げている稲田石の石切山脈。営業日やプレミアムツアーなど下調べして行く事をお勧めします。
https://www.ishikiri-sanmyaku.com/
さて、時間が余ったので笠間駅まで行き、駅前で再びドコモシェアサイクルを借ります。笠間は行っても行ってもまた行きたい所が出て来る。
茨城県笠間市(1)、人車軌道と花街と廃墟ホテル
茨城県笠間市(2)、笠間の終末スナック街
茨城県笠間市(3)、廃映画館の昭和館跡
茨城県笠間市(4)、寂れたラブホ街と廃車両群
笠間稲荷神社の裏手で発見した渋い木造建築。詳細は分かりませんが、病院跡か何かか。
締めは温泉でも入ろうかと、市街地北部の国道50号線を越えた山間にあるぶんぶくの湯。
民宿と日帰り入浴、食事処などを営業していますが、現在は金曜日と土日のみ営業。すでに香ばしい匂いが。
ここはネットで汚いとの酷評が多く寄せられています。そこを敢えて行く。去年の足利健康センターでかなりの耐性が出来た。あそこを上回る事はあるまい。
檜風呂と看板に書いていますが、檜風呂は既に朽ち果て現在はステンレス風呂となっています。お湯は汲み置き。湧き水を沸かしているそうです。泉質はヒドロ炭酸、塩素イオン、カルシウム、ナトリウムと書かれていますが温泉分析表は無く、鉱泉では無い?
ただ弘法大師の時代から古文書に書かれた特別な湧き水で、効能はちゃんとあるとか。
無味無臭で温泉と言えるかはグレーですが、実にディープな場所に行ってしまった。