大分県

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大分県日田市(2)、天ヶ瀬温泉に再訪

※2020年7月、令和二年七月豪雨により玖珠川が増水。旧道沿いの温泉街の一階部分まで濁流に呑み込まれ、壊滅的な打撃を受けてしまいました。復興までどれだけの年月を要されるか想像もつきませんが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

一昨年の11月以来、今回も天ヶ瀬温泉に宿泊しました。
2017年11月訪問時の様子

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相変わらず寂れた温泉街で人通りは全く無い。なのにイルミネーション。

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前回、全方位から丸見えの露天共同浴場に真っ昼間全裸で突入したら人肌湯加減で「産湯かよ!」と叫んでしまい断念した神田湯。今回はそのリベンジに立ち寄りました。

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今回はかなり熱め。源泉がそれなりの量投入されていました。しかも前回無色透明だったお湯が、今回は乳白濁り。川のせせらぎ(と言ってもザアザア)を聞きながら、硫黄臭をしっかり感じる濃い目の単純硫黄泉を堪能できました。

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宿泊したのは水光園。大型ホテルチェーンに買収され再生を果たしたこのホテルは、バブル期にスキーリゾートなどで流行ったスイス風の外装。なんとも懐かしいです。しかしホテルチェーンだけあってマニュアルが徹底されており、一泊二食付き税込9000円なのに徹底されたサービス。ここはお勧めの宿です。

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内湯は微かに炊きたてご飯の匂い。薄緑色のお湯は酸化する前の鉄泉を思わせる。しかし浴感は非常に柔らかく、ゆっくり浸かっていたくなります。

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また、ここにはなんと、適温まで冷ました源泉100%浴槽もありました。元々中性であるためか刺激は薄いですが、泉質に対するこだわりが感じられます。

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川沿いに5ヶ所の露天共同浴場がある天ヶ瀬温泉ですが、このホテルには専用の川沿い露天風呂があります。まぁ、全方位丸見えの混浴露天風呂っていう点では一緒なのですが、朝風呂に浸かったところ、なんと薄茶色の濁りが。硫黄だけでなく鉄分も豊富なのでしょうか。日によって色が変わる温泉ってありますが、ここ天ヶ瀬もそう言った温泉なのかもしれません。
今回スナック「ラブボート」はお休みでしたが、天ヶ瀬のお湯は奥が深く素晴らしいと再認識しました。再度訪れる機会があれば、また水光園さんに泊まりたいと思います。

大分県由布市由布院町、荒木共同浴場と加勢の湯共同浴場

別府から西へ向かうには由布岳が立ちはだかります。鉄道では大分駅に南下して久大本線にて由布岳の南麓を大きく迂回する事になりますが、路線バスだと由布岳直下の高原を越えるルートを取ります。

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いかにも火山といった感じの見事な景色が広がります。今回温泉についてしか調べておらず、たまたま湯布院方面へ直行出来るバスを見つけて乗っただけだったので、この景色は単純にご褒美でした。

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湯布院と言えば高級旅館ばかりで、観光地としても成功していると言ったイメージ。実際行ってみたら歩道、建物、共に綺麗に整備されており、外国人観光客でごった返していました。特に駅前については例えば前回訪れた豊後森もそうですが、JR九州が力を注ぐか否かで全然変わって来ます。

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賑わっている温泉街には脇見も触れず、由布院駅でJR九州運営のレンタルサイクルを借りて、線路沿いを豊後森方面に向かいます。この辺り、向かい側に建つ若宮八幡神社の脇が水源地となっており、旅館などに卸す鮎の養殖場が多くあります。
線路の向こう側に小さな湯小屋。

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遮断機も何もない踏み切り、というか線路を渡り畦道の奥。荒木共同浴場があります。

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畦道の奥の掘っ立て小屋的なシチュエーション。知らなければ誰もこれが共同浴場だとは気づきません。

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入り口で200円を投入し中へ。すでに地元のお爺さんが入られていました。どうやら先日の荒木地区総会でこの共同浴場は地元専用に決まってしまったとか。しかしその旨が表示されておらず200円も投入したと言う事で、入らせていただきました。中は脱衣所の隣が浴槽で、男湯と女湯の間に神棚もあります。

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すぐ隣にある源泉からダイレクトに源泉が注がれ続けているためかなり熱く、加水しながら入ります。お湯は温泉分析表がありませんでしたがおそらく単純温泉。多少ヌメリ感のある柔らかい入り心地。鮮度抜群で加水しても充分濃いい最高なお湯です。
しかし地元の方いわく、今度この先まで源泉を引き、道路沿いに立派な日帰り温泉施設を新たに建設し、この湯小屋は取り壊されてしまうとか。こんないい場所が無くなってしまうとは、残念でなりません。とは言え建物の老朽化や、交代制で管理されてる地元住民の人口減少、高齢化などと言う存続の難しい現状もあります。源泉を活かすために日帰り入浴施設を建てれば職員が常駐し、観光客が千円前後の入浴料を落としてくれる。時代の流れに逆らえないのが現実です。

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次に訪れたのは駅の南側、大忤社の参道入り口に建つ加勢の湯共同浴場です。

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200円を投入し中へ。女湯の方に神棚があるようです。

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中は脱衣所即浴場という造り。

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かなり年期の入った建物で、この雰囲気たまりません。後から壁を建てて男女別に別けたのかな?歴史の古い共同浴場ではよくある光景。

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源泉は元栓が閉められていましたが丁度良い湯加減。癖のないお湯はいつまでものんびり浸かっていたくなります。
湯布院は九州トップクラスの観光地なので避けてしまいがちですが、町外れにはこれらのような素晴らしい共同浴場が残っていました。

大分県別府市(3)、竹瓦温泉と寿温泉

別府には2000近くの源泉と88箇所の共同浴場があると聞きます。数回訪れる程度じゃ到底巡り切れません。それこそ住まなきゃ無理です。

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また古い湯屋が年々建て替え、または廃業され続けており、情緒ある共同浴場が減り続けているので、気持ちは焦るばかりです。

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今回宿泊したのは駅真正面に建つ古いビジネスホテル「ホテルはやし」さん。一泊素泊まり2700円と、立地に対して格安な宿。

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夜は居酒屋とスナックで過ごすので、安く素泊まり出来る宿を選びます。お風呂は源泉掛け流し。あまり特徴を感じられない塩化物泉ですが、お湯の鮮度や濃さなどは良いです。

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駅から坂を少し下ったところにあるのが共同浴場「駅前高等温泉」。大正13年建造の素晴らしい建物です。

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一応宿泊も出来るようですが畳3畳の簡易宿泊施設のような部屋と、サウナのような雑魚寝する大部屋しかないとか。残念ながら今回、後回しにしていたら入り逃してしまいましたが、次回必ず入ろうと思います。

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路地裏飲食店街の中に忽然と姿を現すのが梅園温泉。つい最近までは狭い路地を入った奥にある古い建物の共同浴場という堪らないシチュエーションだったようですが、手前が空き地になり建物自体も建て替えてしまい、私の好きな要素が無くなってしまいました。もっと早く来たかった。

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こちらは別府を代表する共同浴場、竹瓦温泉。明治12年創業で現在の建物は昭和13年建造。立派な建物です。

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浴場は撮影禁止のうえ入られている方もいらっしゃったので、写真はありませんが見事なものでした。

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泉質は男湯がナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩泉(塩化物泉)で、女湯がナトリウム−炭酸水素塩泉(炭酸水素塩泉)。仄かに薄茶色の濁りもあり、柔らかい入り心地でした。ちなみに砂湯もあるようです。

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寿温泉は明治32年から創業されているのですが、もともとは女性の病気によく効く温泉として女湯のみしかなく、現在の建物に建て替えた大正13年に男湯が出来たそうです。

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後継者問題で一時期閉業の危機もあったそうですが、別府八湯温泉道名人会の理事長さんが管理を引き継ぐことで存続。ありがたい事です。

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九州の共同浴場の特徴とも言えますが、脱衣場から一段下がった所に浴槽と言った造り。泉質は炭酸水素塩泉。

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浴槽には51度の源泉が湯船の中からダバダバと掛け流されております。だもんで持参の温度計で測ったところ、なんと49度。無理です。仕方なく蛇口全開で加水。湯もみしながら、どうにか43度まで下げました。後で聞いた話によれば、女湯には源泉投入口に投入量を調整する板があって、源泉を絞っていたので適温だったとか。その分男湯にダバダバ流れ込んでいたのか?
ともあれ、奥日光の温泉寺での鬼加水を思い出しました。こう言うのもまた楽しい思い出になります。

今回、別府の共同浴場は二ヶ所しか廻れませんでしたが、年に二回以上は通いたいと思いました。

大分県別府市(2)、市街の歓楽街と竹瓦アーケード

繁華街の広がる別府市元町の東側、海寄りの地区を歩きます。

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新宮通りの南側に一本入った路地を歩いて来ましたが、途中二本のアーケード商店街と交差します。

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二本目のアーケード商店街は「セルパセオ銀座」。

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アーケードを越えて海側へと進みます。間口の狭い店舗が軒を連ねる。

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猫も多く見かけました。

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外装を改修しなければ、こんな雰囲気。

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海岸の手前に明治12年創業の共同浴場、竹瓦温泉(次の記事で紹介)が有るのですが、その周囲を現役の風俗店が取り囲んでおります。

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竹瓦温泉の向かい正面に、日本最古の木造アーケード「竹瓦小路」が残っています。

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このアーケードは大正10年12月に完成したそうです。

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現在はほぼシャッター商店街ですが、かつては竹瓦温泉の入湯客向けの土産物店や飲食店などが軒を連ねていたそうです。

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元々は旧別府港から竹瓦温泉まで雨に濡れないよう歩けるのが目的だったとか。

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木造の梁は当時のまま。電線のガイシもかなり古いものです。

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アーケードは途中海の方へと抜けられ、丁度T字の形をしています。

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T字を出たところ。駐車場を隔てて海沿いを走る国道10号に出ます。

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共同浴場などを巡りつつ、夜の繁華街へ。居酒屋で湯上りの生ビールなどを飲みつつ。

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昼間巡った新宮通り南側は風俗店以外真っ暗で、ほとんど営業してませんでした。なので新宮通り及びその北側へ。

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こちら側も渋い路地裏がたくさんありました。開いている店も多く、人通りも多少賑やかです。

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そんな中、一軒のスナック「花実」に突入。

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観光客向けではなく、あくまで地元の人向けのスナック。当たりです。時間制限無しのカラオケ無料、チャージとボトル代のみが料金となります。こういう店をいつも探している。地元の先輩方と仲良くなりカラオケ歌って別府の夜は更けて行きます。しかし、九州のカラオケは長渕剛率が高いwww

大分県別府市(1)、市街地の路地裏飲食店街

一昨年の11月より一年ちょっとぶりに九州。今回は別府から攻めていきます。

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別府は日本一の湧出量を誇る温泉地で、温泉が大衆化した江戸時代より西の横綱と言われて来ました。

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街の規模としても大きく商店街もあり、温泉地というよりは普通に地方都市と言った雰囲気。こちらは駅前の北浜通りの南側に並走する新宮通り。

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新宮通りがアーケード商店街「やよい」と交差する角に老舗の鰻屋「大谷本店」があります。

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限定セットは鰻少なめながら1300円という安さ。蒸さずに焼く関西風の鰻を初めて食べましたが超美味い。

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新宮通りから一歩奥へ足を踏み入れれば、巨大歓楽街温泉街としての名残りを感じることが出来ます。

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こちらは全国でも絶滅の一途を辿っているピンク映画館。

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ヒサシが特徴的な長屋。たまに一階がスナックになっていたり。

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外壁の色が変わってもヒサシの形から同じ長屋の別棟だと分かります。飲食店兼住宅か、あるいは赤線の跡という可能性も。

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その長屋の中央には共同浴場の跡も。組合員と月極め契約者専用と書かれていました。

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路地裏のスナック。やっているのか廃業しているのか。

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夜この辺りを通ったところ暗かったのですが、訪れたのが祝日前の日曜日だったので何とも言えません。

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何棟も連なる長屋はほとんどが木造二階建て。大分県下では昭和20年3月より5回に渡る空襲を受けるも、別府市はほとんど被害を受けなかったそうです。また、特に大きな大火も無かったようなので、戦前建築の可能性もあります。

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建物の造りがことごとく渋い。

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海側に近付くにつれ、スナックビルが目に付くようになって来ます。

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しかし廃業した店がほとんど。

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スナックの扉1枚に対して低い潜り戸がひとつ。カウンター1本の狭い店である事が想像できます。

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最盛期はさぞかし賑わいを見せていたのでしょう。

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こちらもスナックビル。

後編に続く。
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