福島県

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福島県富岡町夜ノ森駅周辺、帰宅困難区域の今(2)

大野駅よりタクシーで一つ手前の駅、夜ノ森に来ました。

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夜ノ森駅は除染作業をしても放射線量が下がらなかったため、旧駅舎を解体し駅前整備も含めて2020年3月に完成しました。これは大野駅も同じ経緯で駅舎が新設されています。駅舎のような建物は旧駅舎を模した待合室と公衆便所。

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ホームは切り通しになっており改札は地上一階。東側に市街地が広がっています。

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夜ノ森も駅前と周辺の主要道路のみ通れるようになっており、路地は全て封鎖。ただし西側は帰宅困難が解除されています。

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駅前の商店の自動販売機も10年前から時間が止まったまま。

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喫茶店か美容室か何かの跡でしょうか。例え帰宅困難が解除されたところで営業再開は難しいでしょう。

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地震により傾いた建物は解体されていますが、それ以外でも雨漏りなどによる腐食もあるだろうし、人が住まなくなって10年経った建物は相当改修しない事には使えないでしょう。そもそも放射線量が下がっていなければ、新築でも壊すしかありません。

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農協の建物。除染作業で土をひっぺ返しても放射線量が下がらずに落ち着くまで10年もの歳月が経っており、営業再開したとしても農業はすでに崩壊しています。

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かつての耕作地は荒地と化しており、帰宅困難が解除された地域でもソーラーパネルが広がるぐらいでその大部分が荒地のままでした。

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農業が再開出来なければ農家も帰って来ず、人が帰って来なければ商店も成り立たない。

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実際、帰宅困難が解除されても震災復興住宅に引っ越したままだったり、避難先で生活基盤を築いたまま帰って来ない人が多くいます。

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大熊町の場合ですが、一時避難先としては浜通り地方(いわき市や相馬市)に5419人、中通り地方(福島市や郡山市)に1733人、会津地方に688人、茨城県に467人、埼玉県に355人、東京都に246人。

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一時避難という型で住民票は大熊町のままですが、実際どれほどの人が帰って来るのか。移住ではなく一時避難という形で住所を変更していないのは、支援金などの名目上なのでしょうか。

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つまり街を震災前の状態まで戻すためには、経済から再構築しなければなりません。

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スーパーの跡。一般家庭だけでなく、当然ながら大手企業も多くの資産を失っています。この地に戻って来たとしてもスーパーが営業再開されなければ買い物に困る。同様に床屋だったり洋服屋だったり、生活基盤の再構築から始めなければなりません。

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右側(北側)が封鎖地域で、左側(南側)が解除区域。夜ノ森の南へひと駅行った富岡駅周辺は帰宅困難解除されています。実際福島第一原発はもっと北の双葉町にあり、帰宅困難区域は主に北西側の山間部へと広がっています。

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除染作業のために解体されたのか空き地が非常に目立ちますが、あるいは震災前の段階で既に過疎化が進み、空き地だらけだったのかも知れません。

ともあれ今回、実際に打ち捨てられた街を歩いてなかなかショックを受けました。そこに建つ建物は全て誰かの資産で、それが廃墟化するままどうする事も出来ない現実というものがあります。

福島県大熊町大野駅周辺、帰宅困難区域の今(1)

2011年3月11日に起きた東日本大震災。あれからすでに10年以上の時が経ちました。三陸地域では未だ復興事業は続いているものの、少しずつでも元の暮らしを取り戻して来ております。しかし福島第一原発事故による放射能汚染は、10年経った今でも帰宅困難区域が解除されないままとなっています。

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福島第一原発のある双葉町の南に位置する大熊町。双葉駅の一つ手前の大野駅は2020年3月、常磐線富岡~浪江間の運転再開と共に再開業しました。これに伴い特急ひたちが仙台までの直通運転を再開。ここ10年間、仙台から引き返す形でしか行けなくなってしまった相馬市などにも真っ直ぐ行けます。

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富岡と浪江の間、夜の森、大野、双葉の三駅ですが、再開業に伴って駅周辺と一部地域の避難指示も解除となりました。

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大野駅の改札前には放射線濃度が表示されています。コロナも目に見えなくて怖いですが放射能も目に見えなくて怖い。

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解除と行っても駅から車で移動するのみで、帰宅困難区域の指定解除はまだまだ先です。

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廃墟化した駅前の公園。以前、たまたまGoogle Mapのストリートビューで大野駅周辺の街並みを目にして、震災の爪跡を残したままゴーストタウンと化したその光景に衝撃を受け、訪れてみた次第。

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しかし実際に来てみると主要道路以外は封鎖されており、その主要道路も歩行者や原付などは侵入禁止となっております。かつての駅前商店街を柵の間から撮りました。

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駅からの主要道路は東の沿岸を走る国道6号線までの道と、西の山沿いにある大熊町町役場方面への道のみ。駅前から町役場経由で富岡駅まで路線バスが運行されています。

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町役場に行くバス停のある西口の駅前。

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駅前には比較的真新しい宿泊施設らしき建物も。開業して間もなく閉鎖されてしまったのでしょうか。

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今までは原発周囲五キロ圏内全域が立ち入り禁止だった所、一部解除された事によりやっと半壊家屋などの解体作業が始まったそうです。

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駅前交差点の様子。

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何よりも違和感を覚えるのは、崩れた屋根や塀がそのままで雑草の生えるまま、10年もの時が止まったままでいる事。

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自動車が置き去りにされたまま埃を被りタイヤの空気も抜けており、当時ロクに家財道具も持ち出せずに緊急避難された様をまざまざと感じ取れます。

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それではタクシーで国道6号線を通り、隣の夜ノ森駅まで移動します。

【日記】雪の福島より

 去年に二泊、年明けに三泊、そして昨日から二泊、仕事で福島は郡山まで出張しております。折しも三回目最後の出張で全国的な大雪。郡山は昨晩遅くから降り出した雪で、すでに30センチほどの積雪です。

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 宿泊は郡山郊外のビジネス旅館。意外にもこの旅館、多くの宿泊客で大盛況です。恐らくは全てが工事関係者。地方のビジネス旅館て、思った以上に需要があるみたいです。
 ただ、残念なのは温泉が無い事。これで温泉でもあれば、出張も少しは気が進むのですが。
 また、郊外のビジネス旅館から郊外の工事現場までを車で往復するのみで、市街地には全く行っておりません。つくづく、何もないしつまらない!

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 ただ、昨年末からの郡山出張で驚いたのは、震災からもう5年近く経とうと言うのに、いまだ除染作業が続いているということ。復興はまだまだ全然終わってないのですね。
 話は変わりますが、三陸や福島県浜通りの鉄道路線も未だ寸断されたままです。少しずつ復旧され続けていますが、いかんせん莫大な予算で復旧させたところで結局赤字路線であるため、先送りされてしまいます。震災の被災地に限らず土砂災害で不通になったまま放置されている区間も、全国で数多くあります。JRはあくまで民間企業なのだから仕方ないのですが、旅好きにとってみれば、なんともやるせない気分です。
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