長野県

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長野県下諏訪、諏訪大社下社と菅野温泉

 下諏訪は上諏訪と比べ少し開けていつつも、高い建物がほとんど無いので、どこか長閑な印象があります。甲州街道と中山道の交差する交通の要衝であり、商人で栄えた宿場町です。メインストリートである中山道は諏訪大社下社秋宮の参道を兼ねている感じで、高島城の城下町である上諏訪とは随分雰囲気も違う。

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 上諏訪にある諏訪大社上社前宮と本宮は駅からかなり離れた位置にあるのに対し、下社秋宮と春宮は駅前市街地のすぐそばにあります。写真は下社秋宮の神楽殿で、奥に弊拝殿があります。出雲大社ほどでないにしろ注連縄が巨大。

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 下社秋宮の境内には神聖なお湯として温泉も湧いており、まさに温泉の街である事が伺えます。この温泉手水からは湯気が立っており、手を浸けてみるとかなり熱い。

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 下社秋宮の脇にある塩羊羹屋『新鶴』。上諏訪では木造モルタル建ての看板建築や鉄筋コンクリート造三階建ての建物が多く、昭和な街並みだったのに対し、下諏訪はこのような宿場町の木造建築が多く残されています。

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 下社秋宮から社秋春宮に向かう甲州街道沿いに旅館の建ち並ぶ温泉街があります。写真は鉄鉱泉本館。温泉街というより、やはり宿場町の雰囲気。

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 諏訪大社下社春宮の前には木造屋根付き太鼓橋の下馬橋が保存されています。橋の袂に少しだけ石畳が残っている。

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 諏訪大社下社春宮の拝殿。来年の春には下社秋宮と下社春宮で七年に一度の御柱祭が開催されます。

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 下社春宮の脇を流れる川を渡ったところに、下社の石鳥居を建てた石工の作った万治の石仏があります。ちょこんと乗っかった頭がモアイ像っぽい。

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 中山道から屋根付きの細い路地を入った所に、共同浴場『菅野温泉』があります。

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 ここは以前より様々な温泉ブログで見て来て、いつか行きたいと思っていた所です。年季の入った有人の番台に200円払って、いざ。

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 内装は小綺麗になってますが、建物はかなり古いです。

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 広々とした湯船の中央にある円筒形の所から源泉が注がれています。

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 お湯はナトリウム・カルシウム-硫酸 塩・塩化物温泉で、かなり熱い。湯上がりはホカホカになりますが、出ると路地を吹き抜ける風がちょうど心地良いです。

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長野県上諏訪(4)、ビジネス旅館と共同浴場

 前回、大和温泉しか寄れませんでしたので、改めて巡ってみました。と、言っても上諏訪二カ所に下諏訪一カ所。計三カ所です。

 上諏訪駅の湖畔側出口から左前方に、そこそこ軒数の多い飲食店街があります。夜だったので写真撮れませんでしたが、かなり香ばしい建物が軒を連ね、スナックがやたら多かった。そんなスナック街を抜けた先、非常に目立つ大型マンションの裏手に共同浴場『衣温泉』があります。

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 川沿い、橋の袂の接骨院向かいにあるこの共同浴場は、なかなか鄙びた木造建築。建物脇のタンクは温泉を備蓄するための物でしょうか、たまに民家の脇にも見かけます。もともと諏訪の温泉は組合に管理されており、複数の源泉を混合させ公平かつ安定に供給されるようになってます。

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 入り口の薄暗さが地元感を演出しています。

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 向かいの民家の窓が番台のようになってますが、食事中みたいだったので入浴料の200円を置いておきました。

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 その民家の方が掃除などされているのか、中は清潔に保たれています。

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 浴槽のタイルで深緑に見えますが、お湯は大和温泉より透明に近い薄緑色の単純硫黄泉。ぬるめに熱めと浴槽が分かれてますが、どちらも熱い。お湯はサラサラで微かに硫黄臭。湯上がりはかなりホカホカになりますが、そのぶん夜風が心地良い。

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 源泉が熱いため湯口は普段閉められており、入った時にお湯を出して掛け流しにしているようです。その際、浴槽の底まで伸ばされた排水パイプから溢れるお湯が流れ出るようになっており、常に新鮮なお湯に入れ替えられるよう工夫されています。先々週訪れた草津のペンションはぎわらさんとは逆の方式で、よく考えられた湯使い。

 湯上がりにビールという事で、駅まで続く飲み屋街の中にある一軒の居酒屋『大五郎』で夕食。地元民しか入らなさそうなその店で出されたのが、コレ。

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 鶏の半身あげ。B級グルメの通称『山賊揚げ』です。この大きさと格闘しながら、昔時計工場で働いてらっしゃったという女将さんから、諏訪湖が溢れた時の話や諏訪地方の景気の話など色々と伺いました。半身揚げ一本とビールと日本酒で二時間ほど過ごしたのに一人頭2000円。安い!

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 宿泊は駅から甲州街道を渡り路地を少し入った所にあるビジネス旅館『稲本館』。駅から歩いて1分という近さで温泉まで付いているのに、ネットなどではあまり紹介されていない穴場の宿です。

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 建物はかなり老朽化が進んでおり、全体的に傾いています(笑)。でも、こういう宿が大好物なんです。折りしも諏訪圏工業メッセという大きなイベントがありどこの宿泊施設も団体客で満室となっていた中、二日前でも予約が取れました。
 本当は今年の夏、諏訪湖の花火大会に来たかったのですが、上諏訪中の宿がどこもおよそ十年先まで予約でいっぱいとなってました。この稲本館も五年くらい予約が詰まっており、毎年花火大会に来る人には永久予約している人も居るとか。つまり部屋が空くのは花火の常連客が死んだ時だそうです。
 辛うじて部屋が空いている宿もありますが、花火大会特別料金として10万円。今年は最高値で70万の値が付いたとか。とんだボッタクリ、ていうかすでに異常です。

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 お風呂は狭い浴槽のおかげで加水無しの源泉掛け流し。単純温泉のお湯はあまり特長を感じられないものの、多少刺激もあってとても気持ちいいです。これで素泊まり3500円は有り難い。

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 上の写真は駅前デパート跡の裏手にある『精進湯』。こちらも外来者が入れる数少ない共同浴場の一つですが、時間の都合からスルーしてしまいました。

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 こちらは諏訪湖の湖畔、高級旅館が建ち並ぶ中でやたら存在感のある日帰り入浴施設『片倉館』。

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 この建物は絹製品で財を為した片倉財閥が建てた共同浴場で、昭和3年竣工の洋館は市の文化財建築となっています。

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 二階は食堂となっていましたが、残念ながら営業時間が終了していました。建物の各所にはステンドグラス、レリーフ、石膏像なとがあしらわれており、まさに大正ロマン。

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 文化財指定されているためか、細かい所まで当時のまま保存されており、目を楽しませてくれます。

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 広い浴室は、なんかテルマエ!(笑)
 浴槽はかなり深く、底には玉砂利が敷かれており、利用者は淵に巡らされた段差に腰掛けて浸かります。お湯は加水された上に循環濾過されたもので、正直浴感は分かり辛いです。しかし、この見事な建築物のお風呂に浸かれるだけで充分価値があると思います。なんと言っても楽しい。

 江戸時代の温泉番付では横綱の草津、関脇の那須に次いで小結だった諏訪温泉。現在、温泉地としての知名度はだいぶ低くなってしまいましたが、精密機械工業地帯としての発展の影で、観光地としての衰退があったのかも知れません。

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長野県上諏訪(3)、酒蔵スタンプラリー

 なんと言う素晴らしいイベント!
 このスタンプラリーはほぼ毎日何時でも参加出来ます。上諏訪駅から甲州街道を東へ。レトロな建造物の立ち並ぶ街並みを歩いて行くと、五軒の造り酒屋が密集してあります。

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 一軒目は『信州舞姫』。諏訪高島城にゆかりのある舞姫の名を冠したお酒は、アニメっぽいキャラのラベルでお土産にも人気。

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 明治27年、それまで味噌の醸造元であった亀源醸造から分家し、亀泉酒造店として酒造りを始めたそうです。しかし2009年に民事再生法が適用され、2014年には現在の株式会社舞姫に売却。新たに最スタートを切られています。

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 口に含んだ時から広がる香りが素晴らしい。飲み口もスッキリしており、余韻もしっかりあります。お酒は人それぞれ好みがありますが、私はここのお酒が一番好きです。しかし長野県内にしか卸してないようなので、東京ではなかなか手に入りません。

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 二軒目は『麗人』。こちらは東京でも出回っている、なかなか規模の大きな蔵元。

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 寛政元年(1789年)創業。二百年以上続く老舗の蔵元で、近年では焼酎や地ビールまで販売。しかし2011年、業績悪化のため民事再生法を適用しました。

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 ここは試飲のラインナップが一番多く、全部試飲していたらかなり酔いが回ってしまいます。味はスッキリ飲み易い物が多く、原酒でも癖があまりなく飲み易い。個人的な感覚ですが、女性にウケるフルーティーな印象。

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 三軒目は『本金』です。こちらは五軒の中で唯一、観光客が多く訪れる日曜日が定休となります。蔵元としては最も規模が小さく生産量も少ないのですが「ウチは麗人さんや真澄さんみたいに大きくないから」と語る店の方(ご主人?)は、日曜に休む辺り、地元での消費で満足されているのでしょうか。

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 蔵元の名前は『酒ぬの屋』と言い、宝暦6年(1756年)創業の老舗。家族経営の小さな酒蔵ながらも根強いファンに支えられながら九代続いております。

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 味は辛口で独特の癖を感じ、ハマる人はハマりそう。酒だけをチビチビとやるよりも、色々な肴と合いそうな感じで、飲みやすさよりも個性を主張してくる感じです。ラインナップも少なく、長野県産の美山錦を39%まで磨くなど、こだわりの味を堅実に守り続けています。まさに諏訪の地酒と言ったところ。

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 四軒目は『横笛』。

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 蔵元の名前は伊東酒造。昭和33年創業の比較的新しい酒蔵で、梅酒などにも力を入れています。

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 この辺まで来るとだいぶ酔いが回ってきます。印象としては辛口と甘口の差が極端という感じ。辛口中心に造られているのですが、辛口にしては後味がスッキリしてて非常に飲み易いです。

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 最後は諏訪の大御所、『真澄』です。

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 寛文2年(1662年)創業、高島藩の御用酒屋を勤めていた由緒ある酒蔵です。明治大正と銀行、お茶、石炭、味噌醤油など手広く事業拡大し、現代では全国の酒屋、居酒屋などでも飲めるほどの、長野県を代表する蔵元へと成長しました。

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 併設された販売所で試飲できますが、格の違いを感じるような広さと高級感。

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 肝心のお酒ですが、スッキリ飲み易いのにしっかりとした味があり、東京で人気が出るのも頷けます。万人受けするとかじゃなく、本当に美味いのです。

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 東京に出回っている数だけを考えても、どこか別の酒蔵にラベル売って造らせてんじゃね?なんて無粋な邪推をしていましたが、向かいには大きな工房があり、裏手にも一カ所、富士見町にも一カ所工場があるそうで、ちゃんと自社だけで供給しているようです。

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 スタンプラリーは1800円で五カ所全て試飲でき、各酒蔵にてオリジナルのお猪口も貰えます。そう考えればかなりお得ですが、全部回るとお猪口29杯になるため、結構へべれけになってしまいます。麗人さんのみ出されるのではなく置いてある酒を勝手に試飲する方式なので、ここで少し種類を絞る事をお薦めします。

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長野県上諏訪(2)、昭和の建築物群

 3ヶ月前に訪れた時の続き、周り切れなかった上諏訪市内の散策に行って参りました。

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 前回訪れた際に解体工事が進んでいた駅前のデパート跡は、半分を解体した時点で中断しているようでした。地元の方に聞いたところ、跡地の売却先がまだ決まっておらず、また現市長(女性)の対策も遅れて今になって何を建てるべきかの住民投票を行うとか。このままだと巨大駅前廃墟が出来上がってしまいます。

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 そんな駅前から甲州街道を東に行けば、古い昭和な街並みが続きます。

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 すでに解体された土地は空き地のまま買い手もつかず、結果歯抜け状態となっています。

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 こちらの建物は信州諏訪味噌工業協同組合。それにしても甲州街道沿いに残る建造物が、いちいち素晴らしい。

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 戦後建築が主となりましょうか、細かい装飾が凝っています。元々上諏訪は紡績で栄えていました。山裾の農家で養蚕をし、湖畔に毛織物工場がたくさん建ったそうです。その後第二次大戦中、セイコーを始めとする精密機械工場が東京から疎開。現在の諏訪工業圏の礎となったとか。

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 建て替える費用が無いだけなのか、ともあれ特に文化財指定も保存指定もされていない街並みで、これだけ古い建造物が多く残されているのは奇跡に近いと言えましょう。(ただし、写真一枚目左端に写る三村貴金属店だけは国指定有形文化財登録されています)

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 駅前まで戻り、解体された駅前ビル跡地の下諏訪側、甲州街道から一本奥に入った路地に僅かなスナック街があります。この辺りには駅前という事もあり数軒を残してビジネス旅館が点在していました。しかしその旅館やスナックは半数以上が廃業。終わってるスナック街となっていました。

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長野県奥蓼科、渋御殿湯の冷泉

 茅野からバスでおよそ五十分。県道191号線、湯みち街道を行き止まりまで行った山奥に、奥蓼科温泉郷、渋御殿湯があります。

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 なんとバスが1日三本! 内一本は土曜休日運転。八ヶ岳の登山口もあり、まさに秘湯といった感じです。いや、むしろ山小屋が近いかもしれません。

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 宿は現在一軒のみ。秋になればカモシカも姿を現すという標高1880メートルの高地。真夏でも朝晩は寒いくらいです。

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 裏手には廃業した旧・渋の湯観光ホテルの廃墟があります。

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 この渋御殿湯さんは六畳間のみの安い東館(上流側)と、八~十畳間の西館(下流側)とに別れています。二食付き一万超えの西館に対し九千円弱の東館の方が安いのですが、共同トイレが汲み取り式でドコモの電波も圏外なので、西館をお薦めします。

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 お風呂は東館の端と西館の端にそれぞれあり、日帰り入浴は西館のお風呂のみ。しかし私の尊敬する温泉ブログにおいて東館のお風呂の方が断然良いと評価されていたので、あえて西館の方には入りませんでした。ただ、洗い場やシャワーが完備されているのは西館のみ。早い話、東館は全てに於いて古いのです。

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 浴槽は奥から26度の冷泉掛け流し、中央が31度の足元自噴の冷泉。手前は43度に加温され冷めないように蓋がされている浴槽。

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 26度の冷泉はほぼ水風呂の冷たさ。御殿湯源泉の湯口には何故か小さな羽虫が湧いているので、虫が苦手な方にはお薦め出来ません。そして中央の渋長寿湯源泉の浴槽は底が木の板になっており、板の隙間からボコボコと泡が湧き出ております。

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 写真では判り辛いかも知れませんが天然のジャグジーで、素晴らしいの一言に尽きます。ただ、女湯は底がコンクリートで足元自噴にはなってないそうな。31度は温いというよりやや冷たいといった感じですが、加温された浴場と交互に入ればサウナのような気持ち良さ。
 残念なのは入浴は夜10時までという点。10時になるとオーナーのバスタイムとなります。熱いお湯と冷たい冷泉なので、万が一の事故などを心配されているのかも知れませんね。

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 食事は質素なものですので、色々な面で贅沢さを求める方にはお薦め出来ません。しかし、登山目的の方や純粋に良い温泉に入る事を目的とされる方には、一度は泊まりに行ってみるべきと言わせて頂きたく思います。

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