2020年4月に訪れた伊東温泉。前回は平日のため中に入れなかった東海館に再訪します。

静岡県伊東市(1)、赤線跡の猪戸新地
静岡県伊東市(2)、湯川弁天の湯〜子持湯

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以前も触れましたが、東海館は昭和3年創業し平成9年に閉館となった温泉旅館です。

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当時解体の話もありましたが、伊東市民の熱い要望によってこの建物は伊東市に寄贈され保存される事となりました。

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平成11年には伊東市指定有形文化財に登録され、その後耐震補強工事や補修工事を行い文化施設として、現在土曜休日のみですが公開されています。

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館内はほぼ自由に見学する事が出来、ガイドさんによる解説もあります。

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館内は細部に渡るこだわりが感じられます。

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至るところに高級木材が使われ、見事な意匠も施されています。

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当時の伊東には政財界の著名人の別荘が多く建てられており、腕利きの大工さんたちが多く居たそうです。また一階二階三階と別の大工さんに建てさせ、その腕を競わせたとか。

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旅館営業当時の調度品は閉業当時全て譲ったり廃棄したりしてしまったそうですが、保存されてから数多くの調度品が寄贈され、旅館当時の面影を見事に再現しています。この椅子などもどこかの廃業旅館から寄贈されたのでしょうか、実に風景にマッチしています。

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それにしても広いです。川(南)側は客室、山側は宴会場となっていますが、建物中央には吹き抜けが二ヶ所ありちょっと迷います。

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開業の10年後の昭和13年、それまでは船で来る事が主だったところに国鉄伊東線が開通し、団体客も多く訪れるようになりました。そのため増築に増築を重ね、現在の形になったそうです。

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しかし宿としての営業を終えてしまった事が本当に勿体無い。一度は泊まってみたかったと、つくづく思います。

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大浴場は洗い場が三ヶ所しか無く、近代の大型旅館に比べさほど広くはないです。経営を続けるにはこの辺の改良も求められていたのかもしれません。ちなみに日帰り入浴は男女入れ替え制で男性11時〜12時45分と15時〜16時45分、女性が13時〜14時45分と17時〜19時。男女同時に使えるようにしてくれればいいのにと思います。

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お湯はアルカリ性単純温泉。加温掛け流しで浴槽から常にオーバーフローしています。無味無臭で浴感はあまり特徴を感じませんでした。

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屋根の上に小さな望楼が乗っかっており、そこからは伊東の市内を一望する事が出来ます。見学客は多く常に人が出入りしていました。

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夜は提灯に明かりが灯され、望楼がライトアップされています。

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伊東市ではコロナ禍に伴い去年今年と花火大会が中止となりましたが、延期と言う形で冬季に花火を上げています。本数は少なく時間も僅か20分ですが、年末年始に掛けて週末を中心に何回も開催されます。

■今後の伊東温泉の冬季花火打ち上げ。(2021-2022年)
12/18(土)、12/25(土)〜12/28(火)、1/1(土)〜1/3(月)、1/8(土)、1;9(日)、1/15(土)、1/22(土)、1/29(土)、2/5(土)
いずれも20:30〜20:50の20分間。