観光地として足利学校や佐野ラーメンのような目玉もなく、マイナーな観光地なのに重要文化財建築だけはやたら残っているという、個人的にはなんだか桐生を思い出してしまうような街。栃木って県だけじゃなくて市もあるの?県庁所在地でもないのに?って、神奈川県の神奈川なみの扱いを受けてしまう街。それが栃木であります。

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駅を降りると出迎えてくれるのが、大谷石造りの蔵を綺麗にリノベーションしたバームクーヘン屋さん。背後に聳えるマンションにシラけて、思わずリノベーションとか横文字使っちゃいました。

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駅近くの銭湯、金魚湯センター玉川の湯。タイミングを逃して入れませんでしたが、11時から営業してます。

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三桝屋本店、毛塚屋紙店(有形文化財)、丸三家具店(有形文化財)など。どれも明治後期の建築。歴史的価値の高い古い街並みがありながらも観光地としての知名度が低いのは、やはり両毛線だからでしょうか。東武にしてもその先の日光鬼怒川へ連れて行こうとするから、あまり栃木市の観光開発には手を出さなかったり。

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井岡荒物店、五十畑荒物店(有形文化財)と、雑貨金物屋が並んでいます。その奥のタイル張りモルタル建築は関根家住宅店舗(有形文化財)で、現在パーラートチギというカフェをやってます。栃木の中心街である蔵の街大通りには古い建物をリノベーションしてカフェを経営するなど、地元の若い方々が街を活性化させようと頑張っています。文化財建築をどこまで改修していいのか良く分かりませんが、構造を変えちゃうくらい大掛りなリノベーションは出来ないはず。

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左から観光案内所、佐藤家住宅店舗(明治中期・有形文化財)、阿部呉服店。観光案内所にはレンタルサイクルもあります。行政も古い街並みを観光資源として活かそうと、蔵造り大通り(旧・例幣使街道)では電柱を無くして電線を地中埋設にしております。

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手前の立派な建物は文化財指定されてなく、隣の小さな綿忠履物店(安政3年!)と奥の木造鉄板葺きの洋館、安達呉服店(大正12年)は有形文化財に指定されています。

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銀巴里っていうネーミングがいい!街が大きく発展したのは江戸時代後期。渡良瀬川と巴波川(うずまがわ)を利用した舟運による物資の集積地になったため、商人の町として栄えて行きます。

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……でも、だんだん飽きて来ちゃうんですよね。良くない良くない。

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櫻井肥料店。明治中期建造で有形文化財。このような蔵造りの商店、見世蔵という建物が連続して建っていたら川越みたいな絵力もあるのでしょうが。

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下野新聞社栃木支局。万延2〜文久元年(1861年)建造、有形文化財。単発で点々と続くと、引き返しどころが分からなくなります。

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古久磯提灯店。これも指定文化財建築なんですがね、お腹いっぱいになって来ます。

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ここらで口直し。味変。蔵造りや木造建築に飽きたところで昭和の近代建築へ。

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ああ、なんて未来的なんでしょう。廃業した本屋さん。

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観光地としての蔵造り大通りはそれなりの賑わいを見せていましたが、地域住民の日々の生活としての商店街はシャッター商店街。この辺りから観光産業で活性化を図る栃木市の裏の面を垣間見ていきます。

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建物としては素晴らしく昭和なのですが、文化財となり得ない建物は消えゆく運命にあります。

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オールウェイズカマヤという洋食屋さん。昭和9年建造の旧足利銀行栃木支店で有形文化財。

さて、これから蔵の街大通りを離れて運河の方へ入って行きます。