前回訪れた嶽、茶平集落から浦山川を挟んだ対岸、西側斜面に残る栗山集落を訪れました。

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 開けた南向きの斜面には石垣で造られた段々畑が広がっており、かぼすでしょうか、野生化した柑橘類が収穫される事のないままたわわに実らせていました。

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 そのまま舗装された林道を登ってゆくと一軒の廃屋が姿を現します。

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 中は雑然としていますが、恐らくは訪問者が勝手に開いたアルバムがそのままにされています。

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 林道から崖下に降りてゆく生活道の跡を入って行きます。紅葉はもう終わりかけで、林の中は先日積った雪が溶けて雨のように降り注ぎます。

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 崩れやすい斜面を慎重に降りた先に二軒目の廃屋。

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 アプローチの悪さに驚くばかりです。実際人が住んでいた当時でも、急で狭い石段には当然手摺りも無く、滑り落ちたらそのまま崖です。

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 お風呂と洗濯場。このような斜面に家を建てた事も驚きですが、洗濯機を運び込んだ事も驚き。

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 台所。鍋やヤカンが出されたままなのも謎。

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 今まで巡ってきた集落同様、トイレは決まって外に造られています。

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 正面玄関に廻って見ましたが、玄関出たら即崖です。

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 さらに奥へ進むと三軒目の廃屋が。手前の小屋やトイレはすでに崩落しています。

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 斜面を登り林道に出る手前には四軒目の廃屋。

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 来訪者が引っ張り出して来たのか、新聞紙の日付けはなんと昭和54年とあります。

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 一旦林道に戻ります。相変わらず梢からは雪の塊が落ちてきます。林道の奥は治山工事のため通行止めとなっていますが、この栗山集落の奥は栗山と言う山で、林業のための道路でしょうか特に集落はありません。

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 林道の脇を登って行くとお墓の跡がありました。墓石は引っ越した様子。

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 舗装路に出ると生きた心地がして、思わず苔生した石垣なんか撮っちゃいます。後半では林道の山側斜面を登って行きます。


埼玉県秩父市浦山地区(1)、ダム湖と限界集落
埼玉県秩父市浦山地区(2)、廃村、茶平集落
埼玉県秩父市浦山地区(3)、廃村、嶽集落
埼玉県秩父市浦山地区(5)、廃村、栗山集落(後編)
埼玉県秩父市浦山地区(6)、廃村、山掴集落
埼玉県秩父市浦山地区(7)、浦山中学校跡と川俣小学校跡