※以前書いた記事に先日の日記を加筆しました。

⬜2016.10/29

 再開発の進む渋谷駅を東口に出て明治通りを北に。線路沿いに生き残るバラック飲み屋街呑んべえ横丁を越えた先の線路伝いに、長細い宮下公園があります。

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 この公園にはかつて多くのホームレスが住み着いておりました。しかし2010年9月、区はナイキに命名権を売却し、公園の改修工事を名目に公園内のホームレスを一掃しました。しかし翌年の4月、ホームレスの支援団体などが強制排除は不当として区を相手に裁判を起こし揉めていたそうです。現在では夜間施錠するなどして、公園内に住み着けないよう対処しています。さらにナイキは有料の運動施設を公園内に整備しながらも、市民の反対を受けてナイキパークという名前を結局付けられずに終わってしまいます。

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 しかしホームレス達は公園とその裏のバイク用コインパーキングとの間の空白地帯に住むようになります。公園の下は駐車場、植え込みとバイク置き場の下は暗渠化された渋谷川が流れています。

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 区によっては対応策としてアパートに住めるよう支援したり簡易宿泊施設を紹介したりしているようですが、渋谷区がその辺の対応を上手く行なえなかったため、話がこじれて行ったそうです。

⬜2017.3/27

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 宮下公園の周辺には警察官が集まってものものしい雰囲気。どうやら宮下公園がいよいよ再開発されるようで、仮囲いが組まれ始めていました。叫んでいたのは市民団体の方々。

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 警備会社の方々でしょうか、各々マスクとヘルメットで顔を隠し防壁を作って、支援団体と浮浪者たちに対峙しております。しかし市民団体と浮浪者たちはごく少数。圧倒的に警備員や警察官の方が多いです。
 問題は公園に居着いていた浮浪者たちを開発の名のもとに強制排除するという点で、いわゆる人権団体が抗議している訳です。しかしそのデモはあまりにショボく、なんだかなぁって感じです。弱者に味方し国家権力に対抗する、そんな大義に酔いしれている、金と暇をもて余す、なんて毒を吐いちゃぁいけませんね。

⬜2017.3/29

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 仮囲いは滞りなく組み上がり、日常的な渋谷の街へと戻りました。

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 かつてブルーシートハウスが建ち並んでいた一帯も仮囲いで封鎖されました。

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 浮浪者の人権がどうのと言う声もありますが、ここ宮下町の町会と商工会にしてみれば、異臭やアルミ缶を潰す音などで甚だ迷惑を被っており、区に対しては再三に渡り再開発の早期実現を訴えていたそうです。地元の地域住民と不法占拠住民との争い。しかしそれはあまりに呆気なく幕を引きました。

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 しかしふと、仮囲いの一部アクリル板の部分を覗いて見ると、なんとブルーシートハウスはそのまま残っていました。まぁ固定資産税払ってない訳だから固有の資産じゃないし。