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 次に訪れたのは、海沿いの中心街から初川沿いに少し遡った住宅街にある水口第一浴場。

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 ここ第一浴場ともう少し遡ったところにある第二浴場は、建物の老朽化と利用者の減少を理由に、残念な事に2015年いっぱいで閉鎖されてしまうそうです。今回の一番の目的は、この二つの共同浴場が無くなってしまう前に一度は訪れて見たかった次第。

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 以前は向かいの酒屋さんで入浴券を購入するシステムだったそうですが、現在酒屋さんが閉まっているため酒屋さんの左隣の馬場さん宅で購入するようになってました。特にインターホンも無いのでノック。反応がないので引き戸をガラガラと開けて「ごめんくださーい」と声を掛ける。緊張します。なんだこの敷居の高さは!(笑)
 奥から出てきたお爺さんにお金を払い、名簿と入浴券に署名。湯屋に入り投入箱へと券を入れます。なんでも金を払わずに入る不届き者が多かったため、このような手続きを取るようになったそうです。

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 既に地元のお爺さんが二人、一番風呂を堪能していました。「今日は風が強いねえ」とか「そこの石鹸自由に使っていいんだぞ」とか、気さくに話し掛けてくれます。

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 お湯はカルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉。源泉の蛇口から源泉だけが掛け流されていますが、少し熱いくらいの温度で慣れるとちょうどいい感じです。

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 あまり特徴を感じ辛いお湯ですが、じっくり入っているととても気持ち良く温まります。ちなみに水道代と温泉代が値上がりしているそうで、最後に出る時は源泉の蛇口を閉めましょう。
 営業時間は13:00~21:00、水曜定休。

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 第一浴場から五分ほど坂を登ったところに第二浴場があります。非常に見つけ辛く、狭い路地を歩いている時に湯気を抜く所のある湯屋建築を偶然見つける事が出来ても入り口が見つけられません。

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 入り口はなんと、肉屋さんの脇の狭い隙間。しかも入浴券は向かいの橋を渡って少し坂を登った所にある雑貨屋兼駄菓子屋さんで購入しなければなりません。事前に調べて行かないと絶対にわからない。

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 共同浴場へのアプローチでは、恐らく日本で一番狭いんじゃないでしょうか。ぞくぞくわくわくします。

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 突き当たってすぐドア!
 外観の写真なんて撮れたもんじゃない!

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 中もやはり狭いです。

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 棚が九個有っても、同時に入れるのはせいぜい二人でしょう。

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 午後二時のオープンちょうどから入ったので一番風呂ー!
 って入ろうとしたら、お湯が無い!

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 なんてこった。もしかしたらですが、お湯が勿体無いから湯船を張るのは最初に入った人の役目なのかも知れません。しかし源泉の蛇口を捻ると、お湯が勢いよくダバダバと出て来ました。
 これならすぐ貯まるかなと思っていたら、熱い!
 っていうか、火傷するくらいの熱湯!
 仕方なく加水しながら湯船を張っていきました。

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 お湯は恐らく塩化物泉。源泉温度が熱湯のため加水しましたが、それでも僅かなぬめりと高い塩気は充分温泉成分を感じられます。湯上りはサラサラ。
 営業時間は14:00~22:00、木曜定休。
 しかし第一浴場第二浴場ともに今年いっぱいで閉鎖だなんて、惜しまれて仕方ありません。

 ともあれ今回訪れた三軒の共同浴場は、温泉巡りにハマり始めて特に面白かった。まだまだ入湯経験は浅いのですが、全国には本当に変わった温泉がたくさんあるのだと痛感しました。

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