前回、大和温泉しか寄れませんでしたので、改めて巡ってみました。と、言っても上諏訪二カ所に下諏訪一カ所。計三カ所です。

 上諏訪駅の湖畔側出口から左前方に、そこそこ軒数の多い飲食店街があります。夜だったので写真撮れませんでしたが、かなり香ばしい建物が軒を連ね、スナックがやたら多かった。そんなスナック街を抜けた先、非常に目立つ大型マンションの裏手に共同浴場『衣温泉』があります。

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 川沿い、橋の袂の接骨院向かいにあるこの共同浴場は、なかなか鄙びた木造建築。建物脇のタンクは温泉を備蓄するための物でしょうか、たまに民家の脇にも見かけます。もともと諏訪の温泉は組合に管理されており、複数の源泉を混合させ公平かつ安定に供給されるようになってます。

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 入り口の薄暗さが地元感を演出しています。

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 向かいの民家の窓が番台のようになってますが、食事中みたいだったので入浴料の200円を置いておきました。

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 その民家の方が掃除などされているのか、中は清潔に保たれています。

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 浴槽のタイルで深緑に見えますが、お湯は大和温泉より透明に近い薄緑色の単純硫黄泉。ぬるめに熱めと浴槽が分かれてますが、どちらも熱い。お湯はサラサラで微かに硫黄臭。湯上がりはかなりホカホカになりますが、そのぶん夜風が心地良い。

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 源泉が熱いため湯口は普段閉められており、入った時にお湯を出して掛け流しにしているようです。その際、浴槽の底まで伸ばされた排水パイプから溢れるお湯が流れ出るようになっており、常に新鮮なお湯に入れ替えられるよう工夫されています。先々週訪れた草津のペンションはぎわらさんとは逆の方式で、よく考えられた湯使い。

 湯上がりにビールという事で、駅まで続く飲み屋街の中にある一軒の居酒屋『大五郎』で夕食。地元民しか入らなさそうなその店で出されたのが、コレ。

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 鶏の半身あげ。B級グルメの通称『山賊揚げ』です。この大きさと格闘しながら、昔時計工場で働いてらっしゃったという女将さんから、諏訪湖が溢れた時の話や諏訪地方の景気の話など色々と伺いました。半身揚げ一本とビールと日本酒で二時間ほど過ごしたのに一人頭2000円。安い!

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 宿泊は駅から甲州街道を渡り路地を少し入った所にあるビジネス旅館『稲本館』。駅から歩いて1分という近さで温泉まで付いているのに、ネットなどではあまり紹介されていない穴場の宿です。

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 建物はかなり老朽化が進んでおり、全体的に傾いています(笑)。でも、こういう宿が大好物なんです。折りしも諏訪圏工業メッセという大きなイベントがありどこの宿泊施設も団体客で満室となっていた中、二日前でも予約が取れました。
 本当は今年の夏、諏訪湖の花火大会に来たかったのですが、上諏訪中の宿がどこもおよそ十年先まで予約でいっぱいとなってました。この稲本館も五年くらい予約が詰まっており、毎年花火大会に来る人には永久予約している人も居るとか。つまり部屋が空くのは花火の常連客が死んだ時だそうです。
 辛うじて部屋が空いている宿もありますが、花火大会特別料金として10万円。今年は最高値で70万の値が付いたとか。とんだボッタクリ、ていうかすでに異常です。

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 お風呂は狭い浴槽のおかげで加水無しの源泉掛け流し。単純温泉のお湯はあまり特長を感じられないものの、多少刺激もあってとても気持ちいいです。これで素泊まり3500円は有り難い。

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 上の写真は駅前デパート跡の裏手にある『精進湯』。こちらも外来者が入れる数少ない共同浴場の一つですが、時間の都合からスルーしてしまいました。

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 こちらは諏訪湖の湖畔、高級旅館が建ち並ぶ中でやたら存在感のある日帰り入浴施設『片倉館』。

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 この建物は絹製品で財を為した片倉財閥が建てた共同浴場で、昭和3年竣工の洋館は市の文化財建築となっています。

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 二階は食堂となっていましたが、残念ながら営業時間が終了していました。建物の各所にはステンドグラス、レリーフ、石膏像なとがあしらわれており、まさに大正ロマン。

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 文化財指定されているためか、細かい所まで当時のまま保存されており、目を楽しませてくれます。

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 広い浴室は、なんかテルマエ!(笑)
 浴槽はかなり深く、底には玉砂利が敷かれており、利用者は淵に巡らされた段差に腰掛けて浸かります。お湯は加水された上に循環濾過されたもので、正直浴感は分かり辛いです。しかし、この見事な建築物のお風呂に浸かれるだけで充分価値があると思います。なんと言っても楽しい。

 江戸時代の温泉番付では横綱の草津、関脇の那須に次いで小結だった諏訪温泉。現在、温泉地としての知名度はだいぶ低くなってしまいましたが、精密機械工業地帯としての発展の影で、観光地としての衰退があったのかも知れません。

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