水上温泉の帰り道、伊香保温泉に立ち寄ってきました。あいにくの雨に加え時間もあまり無かったので街歩きは次回に回し、今回はかねてから一度行ってみたかったたこ焼き屋さんのお風呂にターゲットを絞りました。
それにしても伊香保は宿泊施設がことごとく巨大であります。企業による団体旅行に依存し、際限無く巨大ホテルが乱立し、それに伴い浴槽も巨大化。結果加水、循環濾過が普通となり、最終的には井戸水を沸かして温泉と騙っていたという事件まで起きてしまいました。ただ、私は鬼怒川や水上のような廃墟だらけな温泉街を想像していたのに対し、意外にもほとんどの巨大ホテルが頑張って営業を続けています。より都心に近いという地の利もさることながら、地元の人々が頑張って工夫しているのかも知れません。
メインストリートである石段坂の上の方は、源泉も近く老舗も多く、良質なお湯を提供してくれる施設も多く存在しております。
そして老舗旅館の文化財クラスの建築物たちが素晴らしい。
伊香保を訪れたのは初めてでしたが、こんなにいい温泉街だったとは。偏ったイメージが一気に崩れ去りました。
石段を三分のニ以上昇り切った突き当たりに、蕎麦とうどん、たこ焼きの店『処々や』があります。石段はここから右に少しクランクして、頂上の伊香保温泉神社が見えてきます。
外壁はモルタルが塗られ新しい建物のようにも見えますが、中身はバリバリの木造建築です。
しかもこれが文化財クラスの古き良き温泉旅館。たこ焼きを注文する人は一階、蕎麦うどんを注文する人は『睦庵』という店名の二~三階へ通されます。たこ焼きだけでもお風呂を利用させて頂けるそうですが、ここは是非二階三階に上がるべき。
旅館として営業していた当時の客室の写真を撮るのに一生懸命で、注文した水沢うどんとたこ焼きの写真を撮るのをすっかり忘れてました。これがまた美味しくて気付けば完食。この部屋に泊まりたいと思うのですが、近くに巨大ホテル『かのうや』を建てたためこちらの建物には泊まれないとの事。なんとももったいない。
部屋から窓の外を眺めれば伊香保の石段が一望できます。この素晴らしいロケーションがありながら泊まれないなんて。
ただ、右手の部屋の窓を開けると隣の廃墟。しかしその廃墟も見事な木造建築で、宿泊施設として使われてないのがもったいない!
温泉については特に書いておらず、お店の人にお風呂に入らせて頂きたいとお願いすれば快く案内して下さいます。まさに裏メニューが温泉。お風呂はカルシウム・ナトリウム-硫酸 塩・炭酸水素塩・塩化物温泉。通称『黄金の湯』と呼ばれているもので、古くから宿を営む老舗旅館しか使用する権利を持っていないとか。その貴重なお湯を加温も加水もせずにダバダバと掛け流しております。ちなみに新しく建てた(と言っても何十年も経っていそうですが)『かのうや』さんは新しく掘られた無色透明な『白銀の湯』。ますますもったいない!
脱衣場が繋がっているため貸し切りで使用するので、女湯の浴槽も失礼して撮らせていただきました。元々一つの浴槽が壁で仕切られた造りです。浴槽の周りは錆びた鉄分のせいで茶色のオリ物がビッシリ。お湯は日によって温度が変化しますが、冬場は比較的ぬるめ。源泉から二番目に引いているため鮮度も良く入れば沈殿物が舞って泥水のように茶色く濁ります。ボイラーが無いためぬるいままなのでゆっくり浸かってって下さいと女将さん。いいんです。この状態がいいんです!
ちなみに『睦庵』は午後三時までとなりますので、時間を逆算して早めに行きましょう。また、貸し切り風呂となりますので、先客が利用していたら入れません。休日の昼時などは厳しいかも知れませんね。
ゆっくりと浸かっていたため汗が止まらなくなりました。処々やのお風呂は冬の寒い時期にゆっくり長湯するのがベストかも知れません。さて、石段を下って行きます。
石段の両脇には多くの路地が枝分かれしており、廃業した小規模旅館などがちらほら。
ひとつの廃墟を覗くと射的場の跡でした。例えば夜、提灯の明かりの下でこのような路地の小さな射的場がやっている光景を想像すれば、なんとも非日常的なことでしょうか。
石段の途中には足湯もあります。だいぶ降りてきたのにお湯は真っ茶色です。雨が降っていなければここでゆっくりしたかったのですが。
石段の下の方まで下りると共同浴場の『石段の湯』があります。入浴料は410円。お湯は緑色を帯びた薄茶色。掛け流しの量に対して浴槽がかなり広くなっており、源泉から離れている分だいぶ温度も低下していますが、ボイラーで沸かされているため丁度いい湯加減です。ただ、石段の下を流れて来る間に炭酸泉の炭酸が抜けて酸化もして、さらに沸かすことで泉質も変わるとか。入った感じは坂の上のたこ焼き屋さんに比べて低刺激といった印象ですが、ここもえらいポカポカになります。坂の上と下、どちらが良いかは好みや体質にもよるので何とも言えませんが、私はたとえぬるくとも源泉そのまま掛け流されている上の方が好きかな。地元のお爺さんたちが多く入られており、地元に愛されているといった感じです。
伊香保温泉は出来れば来月ゴールデンウイーク明けにでも連休とって再訪し、じっくり散策してみたいです。
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それにしても伊香保は宿泊施設がことごとく巨大であります。企業による団体旅行に依存し、際限無く巨大ホテルが乱立し、それに伴い浴槽も巨大化。結果加水、循環濾過が普通となり、最終的には井戸水を沸かして温泉と騙っていたという事件まで起きてしまいました。ただ、私は鬼怒川や水上のような廃墟だらけな温泉街を想像していたのに対し、意外にもほとんどの巨大ホテルが頑張って営業を続けています。より都心に近いという地の利もさることながら、地元の人々が頑張って工夫しているのかも知れません。
メインストリートである石段坂の上の方は、源泉も近く老舗も多く、良質なお湯を提供してくれる施設も多く存在しております。
そして老舗旅館の文化財クラスの建築物たちが素晴らしい。
伊香保を訪れたのは初めてでしたが、こんなにいい温泉街だったとは。偏ったイメージが一気に崩れ去りました。
石段を三分のニ以上昇り切った突き当たりに、蕎麦とうどん、たこ焼きの店『処々や』があります。石段はここから右に少しクランクして、頂上の伊香保温泉神社が見えてきます。
外壁はモルタルが塗られ新しい建物のようにも見えますが、中身はバリバリの木造建築です。
しかもこれが文化財クラスの古き良き温泉旅館。たこ焼きを注文する人は一階、蕎麦うどんを注文する人は『睦庵』という店名の二~三階へ通されます。たこ焼きだけでもお風呂を利用させて頂けるそうですが、ここは是非二階三階に上がるべき。
旅館として営業していた当時の客室の写真を撮るのに一生懸命で、注文した水沢うどんとたこ焼きの写真を撮るのをすっかり忘れてました。これがまた美味しくて気付けば完食。この部屋に泊まりたいと思うのですが、近くに巨大ホテル『かのうや』を建てたためこちらの建物には泊まれないとの事。なんとももったいない。
部屋から窓の外を眺めれば伊香保の石段が一望できます。この素晴らしいロケーションがありながら泊まれないなんて。
ただ、右手の部屋の窓を開けると隣の廃墟。しかしその廃墟も見事な木造建築で、宿泊施設として使われてないのがもったいない!
温泉については特に書いておらず、お店の人にお風呂に入らせて頂きたいとお願いすれば快く案内して下さいます。まさに裏メニューが温泉。お風呂はカルシウム・ナトリウム-硫酸 塩・炭酸水素塩・塩化物温泉。通称『黄金の湯』と呼ばれているもので、古くから宿を営む老舗旅館しか使用する権利を持っていないとか。その貴重なお湯を加温も加水もせずにダバダバと掛け流しております。ちなみに新しく建てた(と言っても何十年も経っていそうですが)『かのうや』さんは新しく掘られた無色透明な『白銀の湯』。ますますもったいない!
脱衣場が繋がっているため貸し切りで使用するので、女湯の浴槽も失礼して撮らせていただきました。元々一つの浴槽が壁で仕切られた造りです。浴槽の周りは錆びた鉄分のせいで茶色のオリ物がビッシリ。お湯は日によって温度が変化しますが、冬場は比較的ぬるめ。源泉から二番目に引いているため鮮度も良く入れば沈殿物が舞って泥水のように茶色く濁ります。ボイラーが無いためぬるいままなのでゆっくり浸かってって下さいと女将さん。いいんです。この状態がいいんです!
ちなみに『睦庵』は午後三時までとなりますので、時間を逆算して早めに行きましょう。また、貸し切り風呂となりますので、先客が利用していたら入れません。休日の昼時などは厳しいかも知れませんね。
ゆっくりと浸かっていたため汗が止まらなくなりました。処々やのお風呂は冬の寒い時期にゆっくり長湯するのがベストかも知れません。さて、石段を下って行きます。
石段の両脇には多くの路地が枝分かれしており、廃業した小規模旅館などがちらほら。
ひとつの廃墟を覗くと射的場の跡でした。例えば夜、提灯の明かりの下でこのような路地の小さな射的場がやっている光景を想像すれば、なんとも非日常的なことでしょうか。
石段の途中には足湯もあります。だいぶ降りてきたのにお湯は真っ茶色です。雨が降っていなければここでゆっくりしたかったのですが。
石段の下の方まで下りると共同浴場の『石段の湯』があります。入浴料は410円。お湯は緑色を帯びた薄茶色。掛け流しの量に対して浴槽がかなり広くなっており、源泉から離れている分だいぶ温度も低下していますが、ボイラーで沸かされているため丁度いい湯加減です。ただ、石段の下を流れて来る間に炭酸泉の炭酸が抜けて酸化もして、さらに沸かすことで泉質も変わるとか。入った感じは坂の上のたこ焼き屋さんに比べて低刺激といった印象ですが、ここもえらいポカポカになります。坂の上と下、どちらが良いかは好みや体質にもよるので何とも言えませんが、私はたとえぬるくとも源泉そのまま掛け流されている上の方が好きかな。地元のお爺さんたちが多く入られており、地元に愛されているといった感じです。
伊香保温泉は出来れば来月ゴールデンウイーク明けにでも連休とって再訪し、じっくり散策してみたいです。
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