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 塩原温泉郷とは、箒川沿いに幾つも連なる温泉地の総称です。その一つ、箒川からもみじライン方面に爆裂火口まで上った山あいに新湯という地区があります。

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 旅館が数軒建っているだけの小さな温泉街で、それでも今や観光地には付き物の廃墟もしっかりとあります。

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 宿泊した湯荘白樺の真裏には水蒸気や硫黄ガスが噴出する爆裂火口跡。そこから湧き出る源泉がダイレクトに宿の浴槽へと引かれています。

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 ここの温泉は白濁の硫黄泉なのですが、那須温泉や草津、万座などと比べて硫黄臭があまりしません。お湯も濃いいながらも滑らかで、比較的入りやすいお湯でした。

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 食事も満足できるレベル。それでいて一泊二食付きで8000円とリーズナブル。施設は老朽化していますが、単純に従業員の方々がいい人たち。なんか宿そのものの雰囲気がいいんですね。また行きたいと思える旅館でした。ただ、エアコンがありません。本来ならば扇風機で充分なほど涼しい高地なのですが、訪れた2013年の夏は記録的猛暑。夜も更ければ多少涼しいですが、ちょっとタイミングが悪かった。

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 この新湯地区には三つの外湯が存在します。今回の目的はこの外湯巡りなのですが、宿泊施設に泊まっている者であれば無料で入る事が出来、日帰りで来た観光客はお金を入れるポストに300円入れなければなりません。もっとも番台などがあるわけではなく、管理運営費をカンパする感覚でお金を入れます。また、観光客には時間制限で開放しているので、利用できるのは朝7時から夕方6時まで。その他の時間は地元の方専用となります。

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 まずひとつ目は『むじなの湯』。狭い階段を下って行った住宅地の中にひっそりと建ってます。ここは源泉掛け流しではなく、珍しく源泉湧出。つまり、パイプから温泉が流れて来るのではなく、湯船の中の石垣の隙間から湧き出しています。つい最近浴槽を仕切ったらしく、それまでは混浴だったそうです。朝に訪れたのですが、観光客が二人ほど入っていたので浴槽の写真は断念しました。

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 もうひとつ目は『寺の湯』。こちらは浴槽が仕切られておらず混浴となっております。江戸期から明治大正までは混浴が普通だったそうで、その時代の名残りと言ったところでしょうか。特に東北など北の方に行くほど、このような風習が色濃く残っているようです。
 もちろん湯治場なので基本的には爺さん婆さんしか居ないわけですが、変な期待をする下衆親父などマナーの悪い観光客が未だ絶えないのも事実のようです。そのおかげで素晴らしい外湯や公共浴場などが地元専用になってしまったりして、迷惑千万であります。

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 三つ目は湯荘白樺に隣接し、同じ源泉を使用している『なかの湯』。

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 小ぢんまりしてますが、なかなかの雰囲気。こちらも現在ではちゃんと男女に分けられております。

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 三箇所全部浸かりたかったのですが、さすがに暑かったのでむじなの湯のみにしておきました。この新湯地区からもみじラインを更に登った先にはハンターマウンテンスキー場などもあるので、冬にでも機会があればまた再訪してみたいと思います。

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