さて、ガード下に戻ります。インターナショナルアーケードから有楽町駅に掛けては、急に賑やかになってきます。
どことなく寂れた感のある銀座5丁目6丁目と違って、庶民価格というイメージがあるのか、ガード下飲み屋街は今も賑わいを見せています。
店は比較的新しい店も多く、昭和のサラリーマンの吹き溜まりといった感じではなく、若者も多く訪れるような明るい路地といった雰囲気に変わってしまいました。
ガード下の路地裏が明るくてどうする!とか思いましたが背に腹は変えられません。柔軟に変化しなければ、インターナショナルアーケードのようにゴーストタウンと化してしまう。
ただ、その中で二軒、昔ながらの姿をそのまま残したような屋台があります。
銀座方面に向かって右手、この「登運とん(トントン)」はアーチ型のガード下の形そのままのために、隅っこの席は天井がやたら低いです。
そしてなんと言っても壁が無いという衝撃。要はアメ横の「大統領」と同じような屋台なのですが、こちらはあまり知られてないようで、地元のサラリーマンたちの憩いの場となっております。食事も白味噌であっさり仕上げた煮込みや、焼き鳥、ホルモンなど美味。
晴海通りを越えた所にある有楽コンコース。こちらは敢えて昭和の雰囲気を演出した「作り物」と言ったら言葉が悪いですが、そういう店があります。
さらに有楽町駅に近づけば、ちょっとした人だかりが見えて来ます。こちらは立ち呑み屋の最終形態とも言える「食安商店」。昼間は自動販売機の多い場所が喫煙所になっているだけにしか見えませんが、夕方になると奥の小窓が開き缶詰めや柿ピーなんかを売り始めます。
小さいテーブルと言うか台のようなものもあり、人々は自動販売機で酒を買い勝手に飲んで行きます。あくまでも仕事帰りに一服という感じで、基本的には皆さん一人。これはもう「店」ではなく「自動販売機の前」なのです。
食安商店の隣には「日の基」という“ちゃんとした(?)”大衆酒場もあり、月初めは日の基、給料日前は食安という流れが、出世コースからも外れて家のローンに苦しむお父さん方の日常なのかも知れません。(笑)
有楽町駅を越えてさらに北、東京駅方面にも
ガード下は続きます。
こちらはラーメン屋やトンカツ屋、カレー屋など、どちらかと言うとランチに賑わうといった感じです。
中央区有楽町(1)、インターナショナルアーケード
中央区有楽町(3)、有楽町電気ビルヂングの飲食店街