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 スナックのママの話によればバブル景気に入る前、海外(ハワイ)に行けない首都圏の庶民たちが南国の雰囲気を味わいに来たり、大企業の慰安旅行などの団体客が十台近くのバスを連ねて熱海に押し寄せて来たりしたそうですが、バブル崩壊後は団体旅行客も激減。庶民の旅行も多様化したり安く海外にも行けるようになったりして離れて行き、一時期はすっかり寂れてしまったそうです。しかし近年、少しずつですが客足も増え、それなりに賑わいを取り戻しつつあるとか。やはり新鮮な魚介類と温泉があるから強いですね。‌‌

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 タクシーの運ちゃんに紹介してもらったスナックは第一交通タクシーの配車センター近くにあるスナック『シーレディー』。‌‌生き字引的なママの店に地元の先輩方が集う、そんな店がちょうどいい。来店したのは、近くの飲食店のママさん。酒焼けしたハスキーボイスで熱唱。カラオケの履歴を見れば、あまりにも古すぎる昭和ソングの嵐。気付けば深夜一時まで盛り上がってました。中心街から少し外れに位置する店はだいたい地元客が集まるのですが、すっかり高齢化が進み馴染みの客も来れなくなったり亡くなられたり。しかし熱海銀座商店街に近い糸川沿いの飲食店は観光客相手に多少賑わっているそうです。‌‌そういう店って大抵時間制なんですがね。

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 駅前からは土産物屋の建ち並ぶ下り坂のアーケード商店街。‌‌
 商店街の一番下には伊東園ホテルがあります。『歌広場』でカラオケやってると曲入れてない間に宣伝が流れる、365日均一料金の激安ホテルチェーンです。‌‌この熱海の伊東園、建物は綺麗に改装されており、8000円前後で二食付きってすげーなって関心してました。そんでちょっと調べてみました。‌‌そしたら、どうやら2001年に潰れた伊東園をパチンコ屋やキャバレー、サウナなどで財を成した在日韓国人が買い取り、再生させたのが始まりだとか。‌‌
 極限まで人件費を削り、地元の仕入れに一切頼らない独自の流通を作り上げ、建設においても地元のゼネコンには一切発注しないという徹底ぶり。‌‌サービスにおいては「この値段だから」と納得する意見と賛否両論あるものの、このコストパフォーマンスで成功を収め、伊豆半島を中心に北海道から滋賀まで倒産した宿泊施設を格安な値段で買い叩き、その数は43軒にも上っているそうです。‌‌
 ただ、地元からして見ると、あまり良く思われていないとの話も聞きます。地元があまり潤わないからだそうで。‌‌そして『カラオケ歌広場』も、なんとこの伊東園グループの傘下でした。安いからよく行くんですがね。‌‌

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 写真は干物をじっと見詰めている温泉饅頭屋の猫。‌‌

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 商店街を外れ道路を渡って路地に入れば崖。急な階段と坂道は海へと続いています。

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 坂の途中で視界が開けたと思えば、そこはホテルや旅館を解体した広い斜面でした。‌‌

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 海岸線まで出ると丁度お宮の松があります。‌‌観光名所としては地味な事この上ない。

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 私が興味をそそられたのはお宮の松の正面に聳える巨大な建築物。建設中と思いきや至るところが錆びており、どうも様子がおかしい。よく見れば内装が全く手を付けられてないまま工事が中断されているみたいです。‌‌

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 後で調べてみたのですが、ホテルを建設しようとしていた不動産開発会社『ゼファー』がサブプライムローン問題の影響で資金繰りが悪化。2008年7月に経営破綻し、工事がストップしてしまったようです。

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 隣の空き地もこの『ゼファー』が廃墟群だった区域を買い取り、ホテルかマンションを建設すべく解体していたところだったそうです。‌‌

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 海岸線から改めて熱海全体を見渡せば、リゾートマンションのなんと多い事か。やはりと言うか空き部屋だらけのようで、夜になれば真っ暗です。この辺の開発に対する規制は無かったのだろうか。ただでさえ湧出量に限りのある源泉から温泉を引き、オーシャンビューを独り占め。不動産バブルの爪痕は温泉街の情緒を壊すばかり。‌‌

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